豆乳は健康食品なのか、栄養素のもつ二面性

昨今の健康志向は、やや商業化されすぎていると感じているがそれは、この経済社会の中では、必然的な流れであり、避けて通ることはできないだろう。

必要なのは、そこの企業が書いている宣伝を鵜呑みにすのではなく、自分でしっかり認識することだ。そのために栄養学は現代人にとって一番必要で使える知識かもしれない。

また医学にもいえることだが、医学や栄養学の知識は本当に大きく変化する。

少し前まで【優良】と評されていた成分や栄養素が【有害】と塗替えられることが日常である。このような変化に対しては、時とともにエビデンスが増えていき新しい見解が生まれるので仕方がない。そうゆうものだと受けて止めていくことが大事になるだろう。

あまりにもひとつのことを信じ過ぎてしまうことも、真実から、望む結果から遠のく原因になる可能性がある。

その代表的な例が【豆乳】である。豆乳には大豆の成分のイソフラボンが多く含まれていることから、昨今健康飲料の代名詞となっている。大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」(卵胞ホルモン)に似た働きをし、女性の美しさや若々しさを手助けしてくれると言われている。加齢とともにエストロゲンは加齢とともに減少していくため大豆で作られた【豆乳】を摂取することでイソフラボンを補充でき、エストロゲンの不足と補ってくれるというもである。

かし大豆は、すべての豆科植物と同じように、アンチニュートリエント(反栄養素)と呼ばれるファイトケミカルを含んでいる。そして大豆は他の豆類よりもアンチニュートリエントが多い。

反栄養素と呼ばれるアンチニュートリエントは私達の体にとって悪い影響を及ぼすことがわかっており、具体的な作用としては、タンパク質の消化能力を阻害。次にカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などの重要なミネラルを吸収する能力をブロックする働きがあるのだ。

豆乳にはイソフラボンという優良成分が含まれているが、それを摂取するために、飲んでしまうとこれらの作用を引き起こすアンチニュートリエントを多く摂取してしまうことになる。

大豆自体が悪いわけではなく、豆乳という飲み方にも原因がある。豆に含まえれるアンチニュートリエントは水に浸けることで多くが水に移る。

豆類は調理の際、水に浸すことで、アンチニュートリエントを減少させることができるのだが、豆乳の場合は、この水に浸けた豆汁自体が豆乳となっているためアンチニュートリエントの固まりなのだ。アメリカでは【SOY FREE】という書かれた食材が多くある。【これは豆乳が入っていません】と入っていないことがもはやアピール対象になっているのだ。

健康のために積極的に豆乳を取るものが入れば、健康のために豆乳をさけるものもいて、目的が同じ健康であっても正反対である。

栄養素とはバランスを摂ることがとても重要であるといえるため、いいというものでそればかりを摂取するという極端なことは避けたいものである。

 

2019年はゴールデンウィークが10連休であるとのこと。

勤務医の私にとっては10連休は無縁なのだが、天気もよく過ごしやすそうな連休になりそうだ。

日頃の疲れを解消することも、健康にとってもは非常に重要なことである。

リフレッシュな時間をぜひ過ごしてほしいと思う。

私もリフレッシュすることを意識して過ごしたいものだ。

BCAAとHMBについて

前回の投稿で、ハードな運動をするものにとってのプロテインの重要性を述べたが今回は筋肉をサポートする他の成分の紹介をする。BCAAとHMBである。これらの成分はもともとプロテインに配合されていることも多く、目にしたことがある方も多いだろう。

BCAAはBranched Chain Amino Acidsの略で分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、必須アミノ酸であるバリン・ロイシン・イソロイシンの総称である。

BCAA摂取に期待される効果は、筋タンパク質合成促進、筋タンパク質分解抑制、筋損傷軽減などがある。運動中には筋たんぱく質の分解がおこり、筋肉でのBCAAの分解が促進されることが今現在証明されている。運動直前にBCAAを摂取することで筋肉から遊離する必須アミノ酸量を減少させることができるのである。

HMB(3−ヒドロキシ−3メチル酪酸)はBCAAに含まれる必須アミノ酸ロイシンの代謝物であり、筋肉をつくる力を高めることができる。

タンパク質が分解されたアミノ酸に含まれるロイシン、BCAAの1つのロイシンの代謝物であるのなら、タンパク質原であるプロテインやBCAAを摂取すればよくて、HMBはいいのではないかと思われるが、ここの生成率は極めて低いことに注目したい。ロイシンから生成されるHMBの量は、ロイシンの5%なのだ。HMB推奨量として、2,000〜3,000㎎を摂りたいのであればプロテインから生成しようとしたら30杯分飲む必要がある。むろんそんな必要はないし、プロテインはHMBを生成することだけが目的ではないので気にすることはない。つまりHMBは体に少ししかないということである。だが近年筋肉を肥大化することへの効果、筋肉を修復をサポートする効果が認められたので摂り入れられるようになったということだ。

HMBを必要量摂取し続けることで筋肉の肥大化や筋肉の修復が期待できるのでより筋肉を肥大させたい人は補助輪としてHMBサプリを飲むことをおすすめする。

基本的には、筋肉の材料となるプロテインを中心にBCAAとHMBも取れたらより効果的だということである。HMBの効果は研究で認められていて、推奨量を飲むことで体への問題はないと結論付けられている。筋肉のつきづらい体質の女性におすすめの成分である。むろんこのHMBを飲んだからといって、鍛えなくても筋肉ができることなどないし、鍛えたからと言って、すぐに大きな筋肉肥大効果を望めるわけではない。トレーニング続けているが変化がないと感じるもの、もしくは、一度トレーニング効果を実感したがもう一段筋肉量を増やしたい、更に鍛え上げたいと思う方がいるなら非常におすすめな成分だ。ちなみに筋肉をつけるのに年齢は関係ない。筋肉トレーニングをすることで筋肉を損傷させると脳は、成長期なのだと勘違いして成長ホルモンを分泌する。年齢とともに減少していくので成長ホルモンが分泌されることは私たちにとって大きい嬉しい要素であろう。

https://www.runkara.net/
引き締まった体を目指すのであれば食事やタイミングも非常に重要になるし、筋トレの際に成長ホルモンをだすための工夫など掲載されたサイトがあったので掲載する。

プロテインを飲む目的

今回のテーマはプロテインだ。体を鍛えている人はなじみがあり、よく飲んでいるだろう。そもそもプロテインとは英語で【タンパク質】という意味であるので、更に元々の語源はギリシャ語で『もっとも重要なもの』という意味である。我々の体は、内臓・骨・血液・筋肉・皮膚・爪・髪の毛に至るまでタンパク質でできているのである。なので我々が生きていく上でもタンパク質は最も重要なものと位置づけても納得なのである。プロテイン=タンパク質であることからあえてプロテインを飲んでいるなど言わなくても、肉や魚を食べていれば自然とプロテインを摂取しているということになるのである。だが、タンパク質は豊富に含まれている肉類ばかりをたくさん摂取してしまうと脂質も同時に摂取してしまうので、タンパク質だけを摂取できるサプリメント・ドリングがトレーニングをするものの中で中心に広がったのである。

普段の日常生活をおくる上で必要なタンパク質料は体重1キログラムに対し1グラムである。なので成人男性で70キロの体重の人は70グラムのタンパク質が望ましい。だが、アスリートやトレーニングをしている人物は体重1キログラムに対して2グラムが良いと推奨されている。この量を食事だけで取ろうとするとなかなか難しいところがある。牛肉100gあたり、およそ23グラムのタンパク質。卵1つで7.5gである。スポーツを行っている人物は、当然ながら筋肉が受けるダメージが大きい。その筋肉の修復をするためにプロテインを摂取してタンパク質摂取量を増やすのである。アスリートや負荷の高い運動をしているのにタンパク質量が不足すると、筋肉がダメージをうけ、修復されないまま、更に筋肉を使うなどして、体に負荷をかけすぎ、怪我の原因にもあるし、なによりトレーニングに比例シて筋肉が付かなくなってしまうのだ。

特段偏った食事をしていないかぎり、成人男性で60〜80グラムほどのタンパク質を摂取できているので、ハードなトレーニングを行っているものは、それと同等のたんぱく質をプロテインから摂取することが有効である。プロテインの種類、品質にもよるのだか、一杯で摂取できるプロテインの摂取量は15グラム〜25グラムが一般的である。なのでハードなトレーニングをするときは2〜3杯は一日に飲むことが必要である。ただ一度に大量に摂取しても有効に使われないので分散が必要である。ハードなトレーニングをしているものは、プロテインをうまく利用しないとパフォーマンスが落ちるので取り入れたほうがよい。

必要量以上にプロテインを飲んでも体内で生成されず効果は発揮されない。また過剰摂取は体重増量の原因になるから控えるべきだろう。

DHAについて

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、不飽和脂肪酸に分類される。自らの体内では作ることが出来ず、摂取して体に取り入れることが必要になる栄養素である。DHAは脳膜を形成する材料としてとても重要な役割を担っている。脳内になる神経伝達細胞であるシナプスの材料となり、これらの細胞を活性化させる。情報伝達能力、記憶学習能力を高める成分として注目を浴びている成分のひとつだ。DHAは不飽和脂肪酸であるため、中性脂肪や血中コレステロールを低下させる働きもする。よって動脈硬化や脳卒中など深刻な病気を予防する働きもある。これら効果ゆえに、最近ではDHAのサプリメントも多く出回っている。

参考:オレオサイエンス総合論文 ドコサヘキサエン酸による脳機能改善作用と神経疾患への応用

DHA含有量が多い食材としてイワシがある。イワシは、ビタミンD3の含有量も多く、脳の活性化に有効な栄養素が含まれている食材の1つだ。このビタミンD3はカルシウムの吸収を飛躍的にアップさせる。脳の状態を集中力を高めて、パフォーマンスをよくするうえでは、精神の安定がかかせない。精神的に不安定な状態にあると、集中力が損なわれてしまう。精神の安定にはカルシウムが働くが、カルシウムは吸収率が良くないのである。イワシに含まれるビタミンD3をカルシウムと一緒に摂取するとカルシウムの吸収率は20倍になるのだ。栄養というのは相乗効果で吸収率の差が大きくなる。単品食べをしないでパランスよく食べることがいかに重要なのかということだ。

実際イワシを食べる際にも、カルシウムも一緒に摂取しようなどと考えなくても品数を多くすればカルシウムも自然にとれるのである。ちなみにカルシウムが含まれている食材は干しえびやしらすや豆類や少量にはなるが野菜にも含まれる。

DHAが豊富な食材ではイワシの他にウナギがある。イワシ同様他の魚に比べて脂肪分が豊富で、体の抵抗力をつけるビタミンAが豊富なのが特徴である。ビタミンAはイワシの100倍、牛肉の200倍含まれている。その他疲労回復効果の高いビタミンB群も豊富で疲れ気味ときに食べるのに非常に有効に働く。

DHAは油の多い青魚に基本的に多く含まれている。魚を食べることこそがDHAを摂取し、脳を活性化させるポイントだ。

なお、DHAの含有量が多い食材として、イワシとウナギを参考にだしたが、他に含まれている食材も多いのでイワシばかり食べる必要はない。

 

脳を健康にする重要性

今日は引き続き、脳と栄養についての記事を投稿する。

脳の重さは体重の2%に対し、消費するエネルギーは体重の30%であることから、いかに私達の体の中でも重要なものかがわかる。記憶力や理解力、集中力も、鬱、不安感、不眠症、記憶障害、注意欠乏症など多くの問題も脳の状態できまる。脳の状態は気持ちの持ち方や、睡眠や運動などの要素もあるが大きくしめているのが脳の栄養状態であると研究でも発表されている。

認知症の患者に非常に多くみられる傾向が栄養不足である。もちろん、空腹状態が続いての栄養不足ではない。毎日三食食事をして、空腹をみたしてもなる栄養不足。いわゆる現代型栄養失調である。

インスタント食品やおにぎりやパンだけなど、簡単に済ませられる糖質だけの食事を送りつづけている人は想像以上に多い。糖質過多の食事になると、必然的にミネラル不足やタンパク質不足、ビタミン不足になりがちである。それらの状態が続くとカルシウム、マグネシウム、セレニウムなど脳の健康を保つ上で必須であるミネラルが摂取できなくなる。これらは脳の認識機能に有効で、学習・記憶をはじめとする高次脳機能に重要な役割を果たし、健康な脳を維持するために決して欠かせない。

現代社会は非常にストレスに溢れてる。脳はストレスに対して対処するエネルギーも蓄えているが、現代はストレスが過多傾向で、脳が対処できなくなっている。その上、ストレスが大きく私達に負荷としてかかると、私たちの体にある、ビタミンやミネラルも使い果たされてしまうのだ。そうなると更に脳の栄養が足りなくなりストレスに対する負荷に弱くなる。そうなるとさらに体から必要なビタミンやミネラルがなくなってしまう。このような負のサイクルができあがってしまうのだ。初めから、脳に必要な良質な栄養を与えることでストレスに強い心身になることができるのである。この件に至っては、各大学や研究機関でも今でも研究が進められている。気分が落ち込んだり、やたらとネガティブな考えに囚われてしまうときは、心を前向きに必死になるより、脳、体に栄養を与えることを意識するのが非常に重要だ。

認知症や精神疾患者急増の背景は、慢性的な栄養不足であるという意見は非常に濃厚である。

脳によいとされている栄養で日常的に摂取しやすく、おすすめなのが【ターメリック】である。抗酸化物質が豊富で脳を保護、修復するのに力強いパワーを発揮する。ビタミンB群も重要な栄養素だ。タンパク源をしっかり取ることは体にも脳に効果を発揮する。

そして、【MCTオイル】も非常に良い。脳は水分を除く約60%が脂質で構成されているため、良質な脂質の摂取は非常に重要である。脂質が不足すると神経伝達細胞も不足し、脳内でうまく情報が伝達されず、物忘れや記憶障害を引き起こす原因である。

栄養をバランスよく取り続けることで脳は劇的にパフォーマンスを上げ、生活のクオリティーはあがるはずだ。

栄養学

我々の体は、本当に完璧なぐらい精密にできた化学工場である。

医師をしているとそのことを日々実感する。医師として、病に苦しむ患者を見る機会が非常に多くともそれでも我々の人体は凄まじいものであると常々思うのだ。最近は、栄養について非常に興味関心が湧いており、少しでも時間を見つけると栄養学の論文をみている。

なぜなら患者と話をするときもこの話は切ってもきれない。何を食べたらいいか?糖質はだめなのか?油はだめなのか?添加物は悪なのか?今は情報が溢れかえっているため、患者も情報に振り回され、精神的にすり減らしているように見える。医師であるからこそ、真剣に耳を傾けてくれる人は患者であれ、知人であれ多い。職業上、私の発信する言葉には、それなりの責任があると実感し、栄養科学についての論文を頻繁に目を通すようになったのである。

いざ論文とみてみると非常に興味深い。医療の世界は情報のアップデータが非常にはやく、常に走りつづけていないとあっと言う間に取り残されてしまう世界ではあるが、栄養学も医療並みにもしかしたらそれ以上に常識がどんどん変化していき、非常に変化に満ち溢れた世界である。そして、栄養学は日常のことだ。今日の晩飯をどうするか…と考えたところから、栄養学は実践されるわけである。この世界に生きる全人類が文化や習慣、そして“意識”による栄養学を日々実践し、その結果を受け取っていると言えるのだ。少々ダイナミックでおおげざな表現をしてしまったが、そう思うのだ。

精神と肉体は栄養からできていると言える。

栄養不足になると脳に栄養がいかず、脳がエネルギー不足になる。人間の脳には、パワフルかつ高度なシステムを持つスーパーコンピューターのような構造と仕組みがある。動作や呼吸、思考、反応の仕方など、あらゆる身体機能をコントロールする役割を行っている。記憶の保存も脳が行っている。日々仕事のクオリティーもほぼ脳が支配しているといえるだろう。

精神面のことを特化して少し述べる。セロトニンという心を安定化させ、安らぎと癒やしをもたらす成分。幸福感ややる気を高めてくれるドーパミン、愛情や精神的安心感のホルモンである、オキシトシン。

脳に栄養が行き届かないと前向に物事を考えるこれらの成分が分泌されず、精神的に落ち込みがちなる。(実際にはもっと多く必要な栄養素はある、次回以降に随時書いていく)落ち込んだ人物を見た際に人は、気持ちの問題だろうと思う。それも一理あるのだが、その根底は栄養の問題でもあるのだ。脳に必要な栄養が行かずに、多くの必要な栄養素が分泌されない、また行き届かない状態。体が酸性に傾き、疲れやすく、老廃物がきちんと排出されない状態。そんなときに明るく、前向きに頑張れなどと言っても無理なのである。体が重くだるく熱があるのに元気で前向きな人はいないだろう。人の考え方は、体の栄養状態によって大きく変化するのだ。栄養不足はいわば気づきずらい慢性風邪状態といえるのである。栄養のことをしれば知るほど奥が深い。

このブログを通して、栄養学の重要性を予防医学の観点から伝えていきたいと思っている。

参考になれば幸いである。